歯のこと

化粧療法とお口の関係

こんにちは、広報・受付担当トガワです。

高齢期には、ストレスや薬剤の副作用、噛む力の低下などが原因で唾液の分泌量が減少してきます。

介護保険施設で約50分間の化粧療法を実施して、直前と直後の唾液分泌量の変化を調べてみると、化粧療法終了後はあきらかに唾液の分泌量が増加していたそうです。

このことから化粧療法には、唾液の分泌を促す要素がいくつか含まれていることがわかります。

今日は化粧療法に含まれる唾液の分泌を促す要素についてご紹介します。

1.スキンケアの手技
スキンケアを実施する際は下図のような手順で、化粧水やクリームを顔や首に塗り広げていきます。
そのとき、唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)付近にも触れるので、唾液腺の場所を意識してマッサージすることで、唾液腺マッサージにも繋がります。

2.香りによるリラックス効果
化粧療法では、リラックス効果のある香りのついたスキンケア化粧品を使用します。
リラックスすることで副交感神経が優位になり、唾液分泌を促すことに繋がります。

3.口を動かす・表情筋を動かす
グループで化粧療法を実施することで、参加者同士やスタッフ・家族との会話が弾むと思います。
口をはじめ、顔全体の表情筋を動かすことで唾液腺の刺激に繋がります。

高齢になると、会話数が少なくなったり、口腔周囲筋が衰えたりすることで、口の動きが悪くなる傾向にあります。

5秒間にパタカを何回言えるかどうかの発語機能評価を、3つの老人ホーム(平均年齢80歳、48名)で行った結果、半数近くの方が3回以下という結果になったそうです。

そこで、協力が得られた22名に、化粧療法を実施して6ヶ月後の発語機能を評価すると、8割以上の方が5回以上、5秒間にパタカが言えるようになったそうです。

化粧療法を実施すると、会話の頻度が増えると考えられています。

周囲のスタッフや、グループの参加者同士で化粧の話をしたりメイクの出来栄えを褒め合ったりすることで、笑顔になり、積極的に会話をする機会が増えてきます。

このように化粧を通じて普段からコミュニケーションをとる機会が増え、口を動かし、言葉を発するようになったことが、発語機能影響を与えたと考えられています。

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