2021年01月18日
歯の色
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。 今日は「歯の色」についてのお話です。 歯は、中心部分が歯の神経である歯髄、その外側が象牙質、そして一番外側がエナメル質、という構造で成り立っています。 エナメル質は灰白色で半透明ですが、象牙質はやや黄色っぽい色をしており、その周りをエナメル質が覆っているため、象牙質の色が透けて少し黄色く見えています。 歯の根元が特に黄色く見えるのは、その部分のエナメル質が薄くなっているからなのです。 そして、エナメル質や象牙質の色合いや厚さは個人差があるため、歯の色は人によって違ってきます。 人種によっても色に違いがあると言われています。 日本人の歯は、欧米人に比べてエナメル質が薄いことが多く、象牙質の黄色がよく透けるのでより黄色がかった歯に見えるようです。 また、本来の歯の色の違いとは別に、ある要因によって歯が変色することがあります。 外因的要因
色素による着色
紅茶やコーヒー、ワインなどの飲食物など、色の濃い飲食物に含まれる成分が歯に沈着することで、歯が黄ばんで見えることがあります。
タバコのヤニによる着色
タバコに含まれているタール(ヤニ)が歯の表面にこびりつくことで着色します。詰め物や被せ物の劣化による着色
過去に歯の治療に使用した金属の詰め物が劣化して金属成分がしみ出し、歯や歯ぐきに黒っぽい色がつくことがあります。 また、レジンと呼ばれる合成樹脂の白い詰め物も、時間が経つと変色する性質があります。
むし歯
初期のむし歯の部分は、白濁した色に見えますが、進行していくと黒っぽく変化していきます。
内因的要因
加齢による色の変化
加齢により透明なエナメル質は少しずつすり減っていき、内側の象牙質は厚みを増すため黄色味が強くなります。 さらにエナメル質の表面に亀裂が多くなると、その亀裂に色素が沈着し、エナメル質が茶色味を帯びることがあります。
神経が死んでしまったことによる変色
むし歯や歯周病などの歯の病気や、歯を強打してしまったことが原因で神経が死んでしまった場合、歯の血流が悪くなり、次第に黒ずんでしまうことがあります。 また、治療などで神経を抜いてしまった場合も同じように黒く見えることがあります。
抗生物質(テトラサイクリン系)による変色
歯の形成期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用することで象牙質の変色が起こり、グレーや茶色の縞模様が歯の全体に現れることがあります
エナメル質形成不全よる変色
歯の形成期中にある種の全身疾患にかかったり、エナメル質の形成に異常が生じたりすると歯の色が変色することがあります。 
いずれの要因でも、歯科の治療で改善できる場合もありますので、気になる方は一度、かかりつけの歯科に相談してみてくださいね。
カテゴリー 歯のこと