子どものいびきの原因
みなさん、こんにちは。
伊藤歯科医院カワニシです。
今日は「子どものいびき」についてのお話です。
大人の一般的ないびきの原因となる肥満による気道の圧迫はほとんどなく、子どもが激しいいびきをかく原因として以下の事が挙げられます。
子どものいびきの主な原因
- アデノイド肥大
- 扁桃肥大
- アレルギー性鼻炎による鼻づまり
- 顎の発育が不十分
- 習慣的な口呼吸
いびきは気道が狭くなることにより起こります。
いびきをしやすくなる原因一つとして、「顎が小さいこと」が挙げられます。
通常、舌は上顎の裏側にくっついています。
アゴが発育し歯並びも良ければ、舌は上顎の歯の裏側に沿ってその置き場所を確保することができます。
しかし、顎が小さく、歯並びも悪い場合、舌の置き場所がなく、後ろに引っ込んでしまいます。
特に下顎が小さいと歯が並ぶスペースが足らず、歯並びが不揃いになり舌を置くスペースが狭くなります。
置き場がない舌は日常的に喉の奥の方へ引っ込んでしまうため、この事が寝ているときに気道をふさぎ、いびきをかく原因となるのです。
このような場合、歯列矯正で顎の大きさを広げ、不揃いの歯並びをきれいに並べることで、いびきが改善する可能性があります。
また、下顎が小さく後ろへ引っ込んでいることが原因で、上の前歯が出っ歯になってしまっている場合には、装置を使用して、下顎を前方に誘導することで、いびきも一緒に治ることがあります。
口呼吸もいびきを引き起こす原因の一つです。
習慣的に口呼吸をしている場合、舌の力が抜けた状態が常態化し、舌の筋力は衰えていきます。
筋力のない舌は、寝ている時に仰向けになった状態になると重力によって喉の方へ下がってしまいます。
この舌が気道をふさぎ、いびきにつながります
子どものいびきが引き起こす症状
集中力の低下
十分な睡眠が取れず、日中の眠気や集中力の低下が起こります。
胸郭変形(きょうかくへんけい)
狭い気道で呼吸をし続けると、子どものころのはまだ柔らかい胸郭の骨が変形していきます。
おとなになるにつれて骨が固くなると、胸の中央部分がへこんだ形の漏斗胸(ろうときょう)になってしまいます。
成長障害
身体の成長に必要となる成長ホルモンは睡眠が始まった直後に多く分泌されるため、いびきによって睡眠不足の状態が続くと、成長ホルモンの分泌が阻害され、成長障害に陥る可能性があります。
子どものいびきは病気のサインであることもあります。
身体の成長にも大きく関わるため、保護者の方ができるだけ早く気付いてあげることが大切です。
こどものいびきに対応する主な診療科は耳鼻咽喉科、小児科、呼吸器科などになります。
まずはかかりつけやお近くの病院にご相談ください。