むし歯を防ぐ「フッ素」の働き
こんにちは、伊藤歯科スタッフのマエダです。
フッ素には、エナメル質の修復促進、歯質強化、菌の働きを弱めるなど、むし歯の発生を防ぐ効果があり、予防に有効な成分として注目されています。
フッ素のむし歯予防に役立つ効果
フッ素はどのように働くのか
3つの働きで、ムシ歯の発生と進行を防ぎます。
- エナメル質の修復を促進
酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。
- 歯の質を強化
歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、ムシ歯への抵抗力を高めます。
- 菌の働きを弱める
ムシ歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。
口の中に長く留まるほど効果的
歯磨きの後に、口の中に残ったフッ素がむし歯予防に効果的に働くため、フッ素を長く留めるハミガキ剤がおすすめです。
フッ素は毎日コツコツと
脱灰と再石灰化は1日の中でもめまぐるしく起こっています。
初期むし歯ができてしまっても、フッ素の活用やその他のケアにより再石灰化しやすい状態をつくり出せれば、修復は可能です。初期むし歯が修復されるまでには、半年~1年程度かかるといわれています。その意味では、歯科の定期健診が半年に1回以上と推奨されるのは理にかなっているといえるでしょう。また、初期むし歯は自分では見つけにくく、歯科専門家による定期的なチェックが必要です。
「初期むし歯ができてしまった!」と慌てて一時的にケアに気を遣うだけでは、フッ素の効果は十分に発揮されません。日々、口内の環境は変化し、脱灰に傾くリスクは常にあります。だからこそ、毎日のケアでフッ素をしっかり取り入れ、継続的にむし歯予防に努めることが大切なのです。
フッ素配合歯磨き剤の注意点
フッ素配合ハミガキ剤を使う時は、次のことに注意しましょう。
- 効果的に使うための量
年齢によってフッ素配合ハミガキ剤の使用量の目安は異なります。
ハミガキ剤の使用量の目安
- 歯磨き後のすすぎ
10~15mlの水を口に含み、1回程度すすぐことがおすすめです。口の中により多くのフッ素が残り、むし歯の予防に効果的に働きます。
- ハミガキ剤は飲み込まない
多くの実験によってフッ素の安全性は確認されていますが、ハミガキ剤は食品ではないので飲み込まないようにしましょう。子どもの場合は、ひとりですすぎができるようになってから使用しましょう。