学校歯科健康診断について
こんにちは、伊藤歯科医院歯科衛生士のタナカです。
学校歯科健康診断について
学校歯科医は、お口の中にむし歯や歯肉炎がないか?歯並びやかみ合わせに異常がないかどうか? 年に一度は、園や学校を訪れて歯科健康診断を行っています。
学校で行う健康診断は、歯やお口の病気で、勉強に集中できなかったり、おいしく給食が食べられなかったりしないようにするためのものです。
その健康診断の結果、治療が必要な人は「要治療」として、健診用紙の(2)にマークが付きます。
また、このままだと病気になる危険がある場合には、注意して様子を見ていかなければならない人として、「要観察」の(1)にマークが付きます。
異常がなし、または「健全」な場合は(0)にマークが付きます。
このような学校の健康診断は、単に病気を見つけるためだけのものではなく、しっかりと歯みがきをしなくてはいけない人や甘いものを控えたり、とり方に注意しなければいけない人たちを見分けるために行っています。
みなさんを「スクリーニング」というふるい分けをします。
その結果、治療の必要な人は、「かかりつけの歯医者さん」で治療をしてもらうように、また、「要観察」の人はしっかり歯みがき指導を受けたり、甘いものや食事のとり方を教えてもらい、病気にならないように予防しなければいけません。
学校での健康診断は、みなさんの健康状態を把握し、健康であるか? 健康上問題があるか? 病気や異常の疑いがあるかを選び出すためのものです。
それとともに、むし歯や歯肉炎にならないようにするにはどうしたらいいか?健康であるためにはどんな生活をしたらいいのかという勉強をする機会でもあります。
歯科保健は、実際にお口の中が見えるため、皆さん一人ひとりの歯の状態にあったみがき方や食物の食べ方についていろいろ教えてもらうことにより、子ども達の自分で自分を管理する能力を育てることができるので、健康に関する教育にとって重要な役割を果たしていると言われています。
その一方で、学校歯科保健では、むし歯だけでなく、歯周病、歯肉炎、歯列咬合なども、これからはより注意することになっています。
以前からすると、お口の中の状態も大きく変わってきており、養護の先生や学校歯科医も健康相談や保健指導するようになってきています。
歯列咬合や顎関節も、重要な検診項目となります。
これらは、「食べ物をとり込み、食べる」機能、「表情を作り、話す」機能、及び「運動を支え、体のバランスをとる」機能に直接関係し、生活の質に関わってくるため、学校歯科医はもちろん、養護の先生をはじめとする学校の先生にも、その重要性の共有が求められています。
学校歯科健康診断は、むし歯や歯肉炎などの病気をスクリーニングするためだけの検診ではなく、より健康を増進させて行くための健康教育が重要視される方向に進んでいます。