産業医および保健師等産業保健スタッフとの連携 その1
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
糖尿病についてのお勉強シリーズ、今年も続きます (笑)
第10弾の今回は「産業医および保健師等産業保健スタッフとの連携」です。
どうぞ。
なぜ、産業保健スタッフとの連携が必要か?
現在の日本では少子高齢化の進行や定年後再雇用の促進により、就労者の高齢化がさらに進み糖尿病を抱える就労者の増加が予想されます。
糖尿病での慢性的な高血圧状態は10年、20年後の深刻な糖尿病慢性合併症を引き起こします。
この高血糖の代謝失調は、治療に手血糖正常化したのちも長期にわたり悪影響が残ることが知られており”遺産効果”、”メタボリックメモリー”と呼ばれています。
したがって、より早期からの継続した治療が必要になります。
そのためには職場と連携した就労糖尿病患者の対策が必要です。
職場と情報を共有して連携すれば治療継続率の上昇が見込まれます。
現在、就労者の中心世代である40代では、糖尿病の強く疑われる人のうち、治療を継続的に受けている人は、男女ともおよそ40%に過ぎず、現在治療を受けていない人の合計は40歳台男女で約60%に及んでいます。
その主な原因は「多忙さ」が指摘されています。
調査によると約半数の患者様が糖尿病であることで仕事上困っていると回答しており、食事や接待、合併症の症状、インスリン自己注射上の問題が多く上げています。
就労糖尿病患者様が真摯に治療に取り組みためには、治療と仕事の両立が円滑に行われていることが必要です。
糖尿病に罹患した患者様は、同時に地域では労働者であり、また家庭においては父親や母親などの生活を営む人です。
このため仕事をしている糖尿病患者と家族、主治医、そして会社にいる産業医、産業保健スタッフや上司の方が連携して治療サポートを行うことが非常に有用です。
そしてこの連携のためには情報の共有が必要となります。