ライフステージ別の糖尿病-妊娠- その4
妊娠中の食事療法は、必要十分な栄養を摂り、胎児の健全な発育と母体の血糖コントロール、適正な体重増加を目指すものです。
妊娠中は母体に必要なエネルギー量に加え、胎児の成長分のエネルギー量を付加する必要があります。
糖代謝異常合併妊婦における付加量については明確なエビデンスはなく、母体の体重増加、胎児の発育、血糖コントロール、ケトン体の有無等をみながら調節をしていきます。
妊娠中の血糖変動の特徴である食後高血糖、食前の低血糖を予防するために6回食などの分食を行います。
また、夜間の低血糖や食前飢餓によるケトアシドーシスを予防するために眠前に乳製品を補食するなどの工夫が必要です。
授乳期には母乳分のエネルギー量を付加します。
妊娠中のインスリン療法
●頻回法や持続皮下注入法(CSⅡ)が選択されることが多い
●インスリンアナログ製剤は、安全性、有効性を考え選択する
●妊娠後半期にインスリン必要量が増加する
●分娩後は速やかに妊娠前のインスリン量に戻したのち、再調整を行う
●授乳時の補食、インスリン減量を指導する
妊娠中のインスリン療法ですが、厳格な血糖コントロールも目指す妊娠中は頻回法や持続皮下注入法が行われることが多いです。
インスリンアナログ製剤は妊娠中の安全性や有効性を考え、患者さんと相談して選択する必要があります。
妊娠の時期により、治療に必要なインスリン量は変化します。
妊娠初期は悪阻や胎児へのブドウ糖輸送開始により、低血糖が起こりやすくなりインスリン必要量が減少する場合もあります。
妊娠中期以降はインスリン抵抗性が増すため、インスリン必要量が増加します。
妊娠末期の最大のインスリン必要量は1型糖尿病で非妊娠時の1.5倍、2型糖尿病では2倍以上となります。
分娩後は急激にインスリン抵抗性が改善するため、速やかに妊娠前、妊娠初期のインスリン量に戻します。
また、授乳により低血糖を起こすこともあり、授乳前の補食やインスリン減量を指導する必要があります。
妊娠中は糖代謝が劇的に変化し、それに合わせた管理が必要です。
妊娠中の特徴を理解し、糖代謝異常合併妊婦さんの安全な出産を目指しましょう。
と、今回のお勉強はこのような内容でした。
講習の後には学習した内容のテストを受けます。
全問正解で「合格」となります。
今回はなんと1発合格っ!!1単位を修了する事ができました♪
残すは7単位!!
糖尿病のお勉強、がんばってます!