合併症-糖尿病と認知症- その1
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
糖尿病についてのお勉強シリーズ、今回は第15弾の今回は「合併症-糖尿病と認知症-」です。
ではどうぞ。
高齢者における糖尿病の特徴を挙げると、加齢に伴うインスリン分泌の低下、筋肉量が低下し内臓脂肪が増加する体組織の変化、身体活動量の低下などによるインスリン抵抗性の増大などがあり、耐糖能は低下するため、糖尿病の頻度は増加します。
糖尿病とその合併症だけでなく、身体機能、社会環境など個人差が大きく、老年症候群の合併例が多くなります。
インスリンの初期分泌の遅れから、食前よりも食後の高血糖が顕著な例が多くなります。
また、高浸透圧高血糖状態もきたしやすくなります。
低血糖を起こしやすく、起こした時も同期、発汗、手の震えなどの交感神経症状が出現せず、頭重感、倦怠感、思考がまとまらないなどの非典型的な症状が多くなります。
そのため、本人や家族、医療者からも気づかれにくいため、無自覚性低血糖、重症低血糖をきたしやすくなります。
重症低血糖を起こした場合には、転倒、骨折、認知障害、心血管疾患、死亡まで重篤な状態となることも少なくなく、低血糖の悪影響が出やすい状態と言えます。
高齢者では、合併症にも特徴があ糖尿病性細小血管症、糖尿病大血管症に加えて、老化という要素が加わることで、老年症候群を合併する例が多くなります。
老年症候群とは、高齢者に多くみられ、医療だけでなく介護、看護が必要な症状や徴候の総称で、高齢者に特有な病的状態のことです。
具体的には、誤嚥、便秘、尿失禁、視力障害、聴力町外、認知機能低下、認知症、低栄養、褥瘡、サルコペニア、転倒・骨折、骨粗鬆症、変形性関節症、ADL低下、フレイルなどで、特に75歳以上の後期高齢者で多くなります。
これら以外にも、合併する疾患が多くなるため、多剤併用(ポリファーマシー)となりがちであり、腎機能の低下もあり、薬物相互作用の影響を受けやすくなり、薬物有害作用も多くなります。