合併症ー糖尿病網膜症-~その2~
次に眼科的治療です。
網膜症がない時期は、内科的治療を優先し、半年から年に一度の眼底検査を、単純網膜症の時期では3か月から半年ごとの定期的な眼科受診が必要となります。
しかしながら、この時期に「異常がない」「小さな出血」など軽症と思わせる説明のみでは、患者様がその後の受診の必要がないと勘違いしてしまうことがあるので注意が必要です。
必ず、次回の受診時期を確認し、患者様・内科・眼科の三者が共有しておくことが重要となります。
網膜症が進行し、黄斑症の合併や、繁殖前網膜症の時期になると、光凝固を行うこととなり、さらに進行すると、ステロイド、抗VEGF抗体療法、硝子体手術などを行うことになります。
網膜症の発症、進展抑制にはより良い血糖管理が重要であることは間違いありません。
しかしながら、長期コントロール不良の症例や、合併が症進行している症例では、眼科的治療を優先させながら、治療後増悪を引き起こさないようにゆっくりとした血糖調整が必要となります。
このように、患者様の症状を把握し、病期に応じた治療計画を立てるため、糖尿病連携手帳や糖尿病眼手帳を利用した連携を行っていく必要があります。
まとめると、糖尿病網膜予防、進展抑制のための5つのポイントは
1、糖尿病診断早期から、血糖・血圧・脂質のコントロールをしっかりと行うことが最も重要
2、網膜症は進行するまで、自覚症状に乏しく、眼科での定期検査が重要
3、長期放置例や、コントロール不良例の治療介入は、治療後増悪に注意が必要
4、糖尿病連携手帳や糖尿病眼科手帳を利用し、内科・眼科で密に連携しながら、病期に応じた対応を行う必要がある
5、網膜症進行例は、動脈硬化性疾患の高リスク群であるため、腎症・冠動脈疾患・脳血管障害などの合併症検査を行う必要がある
と、今回のお勉強はこのような内容でした。
講習の後には学習した内容のテストを受けます。
全問正解で「合格」となります。
今回は3回目でなんとか合格し、1単位を修了する事ができました♪
残すは4単位!!
糖尿病のお勉強、ゴールが見えてきました!