2018年12月03日
唾液分泌量減少症①
こんにちは、広報・受付担当トガワです。
唾液分泌量減少症の最大の特徴は、口腔乾燥感の自覚症状を必ずしも有しないということです。
初期の症状としては、軽度の口腔乾燥症状(口渇感、飲水切望感など)を自覚することが多いそうですが、初期段階では患者さんはほとんど気にしていません。
唾液分泌量減少症は、自覚症状がなく医者に罹っている患者さんが少ないことなど様々な点において、高血圧症とよく似ています。
日本における高血圧患者は約4,000万人とされていますが、未治療者の割合は高く、高血圧患者の半数以上が管理不十分と推定されているそうです。
この理由として、症状に乏しいことと、高血圧自体が直接生命にかかわることが少ないためだと考えられています。
しかし、血圧水準が高いほど、脳卒中や心筋梗塞、心疾患、慢性腎臓病などの罹患率および死亡率が高くなります。
高齢者においても、血圧が高い人ほど循環器疾患罹患率および死亡率が高いことがわかっています。
またメタボリックシンドロームや循環器疾患のリスクをもつ人の循環器疾患罹患や死亡リスクは、そうでない人の1.5倍~2.4倍もあるといわれています。

血圧値別にみた脳卒中発症率
唾液分泌減少症は「口が渇く」「口の中がネバネバする」などの初期の自覚症状があり、これが放置されれると「舌がザラザラする」に変わり、さらに進行すると「舌が痛い」「入れ歯が合わない」「味がよくわからない」といった症状に変化していきます。
自覚症状のほとんどが舌の痛みなので、患者さん自身は唾液分泌量の減少に起因する症状であることを自覚していません。
そのため唾液分泌減少症の患者さんは未治療が多くなってしまいます。
唾液の中には各種無機成分やタンパク質が存在していて、口腔粘膜と歯の潤滑・保護、緩衝作用、抗菌作用、消化作用、自浄作用などを担っています。
唾液も高血圧と同じで、さまざまな疾患発症や進行に影響を与えていますが、その減少が直接生命にかかわることがないため、自覚症状の乏しい場合には積極的に治療がされてきませんでした。
しかし唾液は健康維持に重要な働きをしています。
口が渇くなど、少しでも違和感があれば早めに歯医者を受診してみてくださいね!
カテゴリー 歯のこと