睡眠関連呼吸障害
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
今日は「睡眠関連呼吸障害」についてのお話です。
睡眠関連呼吸障害とは、睡眠中に異常な呼吸を示す病態の総称です。
有病率は一般人口の1%以上で、特に中年期に多く30~60歳の男性で4%、女性では2%前後と言われています。
おもに閉塞性睡眠時無呼吸症と上気道抵抗症候群があります。
睡眠に伴って上気道の狭窄や閉塞が起こり、呼吸が妨げられて安眠できなくなることから、日中のさまざまな障害をもたらす疾患といわれています。
このうち閉塞性睡眠時無呼吸症は、成人と小児で病態が著しく異なる病気です。
小児の閉塞性睡眠時無呼吸症は、原因や症状、治療法等が異なってくるため、診断基準は以下のように細かく分けられています。
現在では、成人の閉塞性睡眠時無呼吸症の完治は難しいとされているそうです。
そのため、小さいうちから顎顔面部を適切に発達させることが閉塞性睡眠時無呼吸症の予防に繋がるのではないかと期待されています。
子どもの頃の睡眠関連呼吸障害は、アレルギー性鼻炎や急性、慢性副鼻腔炎などに大きく影響されます。
寝ているときにかくいびきや口を開いて寝ていないかにも注意が必要です。
また軌道が閉塞しやすい仰向けで寝る姿勢が苦手で、うつぶせや横向きに寝ることが多くなります。
頻繁に寝がえりをしたり、首を後方に反らせた姿勢で寝ていることも睡眠関連呼吸障害の特徴です。
一度眠るとなかなか起きないことも特徴の一つです。
さらに睡眠関連呼吸障害の場合、肺の機能的残気量が少ないため、身体的な発育障害だけでなく、学習障害、精神発達障害などさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
この他にも、迷子になる頻度が高いことや食事の時間が極端に長いなどの特徴があります。
さて、「いびき」は睡眠中に上気道が狭窄することで生じる呼吸音です。
そしてこれが、一般の人が最も気付きやすい睡眠関連呼吸障害の症状の一つです。
風邪のときはとくにひどくなったり苦しそうにする、年に4、5回高熱を出す、寝相が特に悪い等があるお子さんは要注意です。
下顎が上顎よりも前に出る反対咬合があるお子さんは、いびきとの関連が高いことも分かっています。
これは呼吸を楽にするために骨格が偏位した可能性があると考えられているからです。
日々忙しく余裕がない保護者の方も多い現代ですが、お子さんの寝ているときの状態などを気にかけて病気のサインを見逃さないようにしましょう。