2020年08月31日
クレンチング症候群~診断と治療、予防~
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
今日は前回に続いて、クレンチング症候群の診断と治療、予防についてのお話です。
クレンチング症候群の診断
自分自身でもチェックできますので、気になる方はやってみましょう。
●上下の歯の噛み合わせ面がすりへり平らになっている
●歯と歯肉の境目に削り取られたような傷がある
●舌の側面に歯型がついている
●歯に接する頬の内側に白い線がある
●あごの関節(耳の穴から1cmほど手前にある)を押すと痛みがある
●あごのエラの部分の筋肉に痛みを感じる
●上顎の口蓋の中央または下顎の内側に骨の隆起がある
●肩こりがある
上記のような症状が思い当たる方は、ぜひ一度歯科医院で相談してみましょう。
クレンチング症候群の治療法
●噛み合わせの調整
噛み合わせの悪さが関係している場合は、噛み合わせを調整することでくいしばりを緩和させることができます。
●スプリント療法(ナイトガード)
寝ている間のくいしばりによる強い力から歯を守るために、スプリント(マウスピース)を装着することで歯への負担を軽減します。
また顎などの筋肉の緊張が解消されるため、肩こりや頭痛が軽減します。

クレンチング症候群の予防
●上下の歯が接触しないように意識する
上下の歯が接触していることに気づいた時点で意識して離すようにしましょう。
くいしばりなどをしていることに気づいた時には直ぐにやめるようにしましょう。
目につきやすいところに付箋などで注意書きを貼っておいたり、時々、深呼吸してリラックスした状態を作るなど、くいしばりの機会を減らすようにするのも良い方法です。
会話や食事などの必要な時以外では、上下の歯が接触しない状態を習慣づけるようにしましょう。

●ガムをかむ
噛むことでイライラを抑えてストレスを逃がし、血流を良くします。
●ストレッチで肩、首周りの緊張をほぐす
肩や首周りの筋肉をリラックスさせるよう、力を抜いてほぐすようにストレッチしましょう。
●寝る姿勢や頬杖に気を付ける
横向きに寝たり、頬杖をつくと、片側の顎に負担をかけてしまうためめ注意が必要です。

●枕の高さを調整する
枕が高すぎると顎や首の負担が大きくなるため、高すぎないように自分に合った物を選びましょう。
枕を低くすることで口が開きやすくなり、くいしばりを回避することができます。
くいしばりは自分が思っている以上に負担がかかっています。
症状がひどくなる前に、早めに予防・対策を行うことが大切です。
カテゴリー 歯のこと