薬がむし歯の原因になることがあるか?
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
今日は「薬がむし歯の原因になることがあるか?」についてのお話です。
子供用のシロップ系の風邪薬には、薬剤の成分に加え、甘みの成分として高濃度のショ糖やブドウ糖が含まれている物があります。
10種類の感冒薬を調べたところ23~48%のショ糖が含まれていたという研究結果もあるそうです。。
日常的に飲まれている清涼飲料水には約10%前後含まれるといわれているので、十分にむし歯の原因になる可能性があると言えるでしょう。
また、薬を飲みやすくするために、ジュースやヨーグルト、アイスクリームなどに混ぜて服用する場合がありますが、薬剤だけで服用した場合と比べ、飲み物や食べ物に混ぜた場合の糖度は2~3倍になるという研究結果も出ています。
このように薬によるむし歯のリスクを下げるためには、できるだけ長期的な服用は避け、就寝の直前に服用するのは避けて、服用後は必ず歯みがきをしましょう。
体調の状態などにより、歯磨きが難しい場合は白湯やお茶を飲ませり、うがいをすると少しは改善されます。
キシリトール入りガムを噛むことも効果があると言われています。
処方の際に甘味料としてショ糖やブドウ糖を含有しないものがあれば、できるだけそちらを選択しましょう。
いずれも医師からの指示があれば、必ずそれに従ってください。
服用期間が長かった場合は、歯科を受診することも望ましいでしょう。
また、子供の薬だけでなく、大人が服用する糖衣錠にも、むし歯の原因になる「ショ糖」でコーティングされている物もありますので、飲み方には注意が必要です。
糖分が含まれていなくても、抗精神病薬や抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、モルヒネなどの唾液分泌抑制の副作用により、お口の中が乾いた状態が続いてしまうと、お口の中の細菌が増え、むし歯になるリスクが高くなります。
抗ヒスタミン薬はさまざまな分泌腺に働くため、鼻水を止めるだけでなく、唾液の分泌も止めてしまうためです。
対策としては歯磨きや、お茶(カテキン)やポビドンヨード等を使用してのうがい、また、口腔内の保湿を保つために、霧吹き等で口の中に水を吹きつけたりといった対応も大切です。
また、糖分を含まないガムやあめで唾液腺を刺激したり、唾液腺マッサージを行うなど唾液分泌を促進させることが勧められています。
甘い食べ物、飲み物以外ににも、むし歯の原因になるものがあることを知っておきましょう。