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院長・スタッフがお届けする元気ブログ
2020年10月19日

口腔機能低下症の検査

みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。

今日は「口腔機能低下症」を診断するための検査についてのお話です。

 

当院では専用の各種検査機器を導入し、以下の7項目の検査を行うことができる体制を整えました。

 

①口腔衛生状態不良(口腔不潔)

口腔衛生状態不良(口腔不潔)は、高齢者の口腔内で微生物が異常に増加した状態で、 誤嚥性肺炎、術後肺炎、術後感染、口腔内感染症などを引き起こす可能性がある状態です。  検査には、Tongue Coating Index(TCI)法による視診での舌苔付着度 を用います。舌苔付着度は、舌背部を 9 分割して、それぞれのエリアを舌苔スコアで評 価します。舌苔付着度(TCI)が 50%以上の場合、口腔衛生状態不良(口腔不潔)と判 定します。


 

②口腔乾燥  

口腔乾燥は、口腔内の異常な乾燥状態あるいは乾燥感を伴った自覚症状を示す状態で す。口腔水分計による計測または唾液分泌量の計測で検査を行います。  口腔水分計による計測は、口腔粘膜水分計ムーカス(ライフ)を用います。舌尖から 10mm の舌背部を計測します。計測値が 27.0 未満で口腔乾燥と判定します。


 

③咬合力低下  

咬合力低下は、天然歯あるいは義歯装着時の咬合力が低下した状態です。残存歯数で判定を行います。動揺度 3 の歯、残根状態の歯、ブリッジのポンティック、 インプラント上部構造を除く残存歯数を測定します。残存歯数が 20 本未満の場合は咬合 力低下と判定します。これは、残存歯数と咬合力に相関関係があることが知られているた めです。

 

④舌口唇運動機能低下

舌口唇運動機能低下は、全身疾患や加齢変化によって、脳・神経の機能低下や口腔周囲 筋の機能低下が生じた結果、舌や口唇の運動速度や巧緻性が低下した状態で、摂食行動、 栄養、生活機能、QOL などに影響を及ぼす可能性がある状態です。  舌口唇運動機能の評価は、オーラルディアドコキネシス(単音節の発音速度)の計測で検査を行います。計測には、自動測定器の「健口くんハンディ」を 用います。日常生活で義歯を使用している場合は、 義歯を装着した状態で測定します。「パ」、「タ」、「カ」の 5 秒間での発音回数の計測をそ れぞれ行い、いずれかでも 6.0 回 / 秒未満の場合に舌口唇運動機能低下と判定します。


 ⑤低舌圧  

低舌圧は、舌を動かす筋群の機能低下によって、咀嚼、嚥下や発音時に舌と口蓋や食物 との間に生じる圧力が低下した状態で、健常な咀嚼や食塊形成に支障が生じて将来的に必 要栄養量を摂取できなくなる可能性がある状態です。JMS 舌圧測定器(JMS)を用いて 最大舌圧の計測を行います。日常生活で義歯を使用している場合は、義歯を装着した状態 で測定します。最大舌圧が 30kPa 未満で低舌圧と判定します。


 

⑥咀嚼機能低下

咀嚼機能低下は、噛めない食品が増加し、食欲低下や摂取食品の多様性が低下した状態 で、結果的に低栄養や代謝量低下を引き起こすことが危惧される状態です。グミゼリーを 咀嚼させて、その粉砕度を計測して検査を行います。  グルコース溶出量による咀嚼能率検査は、グルコセンサー GS- Ⅱ(GC)を用いま す。専用のグミゼリーを 20 秒間咀嚼させ、10 m L の水を含嗽し吐出させます。吐出 水中に溶出したグルコース濃度を計測して、咀嚼能率とします。溶出グルコース濃度が 100mg/dL 未満で咀嚼能力低下と判定します。


 

⑦嚥下機能低下

嚥下機能低下は、加齢による摂食嚥下機能の低下が始まり、明らかな摂食嚥下障害を呈 する前段階での機能不全を有する状態です。調査紙法で検査を行います。  EAT-10 を用いた場合は、スコアが 3 以上の場合を嚥下機能低下と判定します。聖隷 式嚥下質問用紙を用いた場合は、A がひとつ以上の場合を嚥下機能低下と判定します。


カテゴリー 歯のこと |

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