乳歯が抜けずに永久歯
みなさん、こんにちは。伊藤歯科医院カワニシです。
今日は「乳歯が抜けずに永久歯が生えてきた」時のお話です。
永久歯への生えかわりは、通常、6歳頃にまず下の前歯が抜けて永久歯に生え変わることから始まる場合が多いようです。
そしてほぼ同時期に、今まで歯の無かった1番奥に「第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)」が生えてきます。
この第一大臼歯は6歳ごろに生えてくるので、「6歳臼歯」とも言われています。
永久歯の中で一番大きく、かむ力も強い歯で永久歯の歯並びやかみ合わせの基本となる大切な歯です。
その後、個人差はありますが
7~8歳になると、上の前歯も抜けはじめ、永久歯に生え変わります。
8~9歳では、前から後ろに向かって順番に、永久歯が生え始めます。
10~11歳では、上下ともに奥歯が抜け、永久歯が生え始めます。
12~14歳に、奥歯の永久歯が生えそろい、すべての歯が並びます。
永久歯は本来、乳歯の真下で乳歯の根っこを吸収しながら生えてきます。
そのため、永久歯が出てきたときには乳歯の根は溶けてなくなり、乳歯が抜けていきます。
しかし、最近の子供は顎が小さくなっているなどの理由で、乳歯が抜けずにその内側(舌側)に永久歯が生えてしまうことがあります。
すでに乳歯がグラグラしているようであれば無理に抜く必要はありません。
様子をみて、自然に抜けるのを待ちましょう。
乳歯が抜けてスペースさえあれば、永久歯は、舌と唇の力によって本来の位置に動いていきます。
しかし、抜けずに長い間放っておくと、内側に生えたままになってしまい、歯並びに影響が出る可能性が出てきます。
乳歯の内側に歯が生えてきたのが確認できてから、しばらく経っても乳歯が抜けないようであれば、状態を確認してもらうために歯科医院を受診しましょう。必要と判断されれば抜歯をしてもらいましょう。
また永久歯が乳歯よりも外側の、噛んでも見える位置に生えてきた場合にはできるだけ早めに受診しましょう。
反対に、乳歯が抜けてから、永久歯が出てこない場合があります。
半年経っても永久歯が生えてこなければ、乳歯の下に永久歯がない「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」や、余分な永久歯がある「過剰歯(かじょうし)」の可能性もあります。
歯科医院で確認してもらいましょう。
また、医師によっては治療の方針が違うため、納得がいかないことがあれば別の歯科でセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。