
抜歯
親知らず(智歯)とは?
前から8番目に生えてくる奥歯のことです。左右上下1本ずつあるので合計4本になります。全ての人にあるわけではなく、人によってはない場合もあります。
智歯の問題点
いちばん奥で最後に生えてくる歯のため、正常に生えてくることがまれです。生えないで埋まったままの状態から、横向きに生えたり、半分だけしか生えなかたりする場合がほとんどです。そのため、歯周病やムシ歯になりやすく、痛みや腫れの原因にもなります。また、他の歯にも悪影響を及ばす場合があります。
親知らずがムシ歯になると、その前の歯もムシ歯になってしまいます。
生える場所が無く、完全に出てこない場合は歯肉に炎症を起こし、痛みや腫れの原因になります。
この状態が長期続くと、前の歯を支えている骨を溶かしてしまいます。
親知らずが生える時に、手前の歯を押して全体の歯並びを悪くします。また、状況によっては前の歯の根を溶かしてしまいます。
完全に生えても咬み合う相手が無い場合には、歯が伸びてきて 顎の運動のじゃまになり、咬み合わせ全体に影響を及ぼします。
治療方法
抜歯をする方法
歯を抜いて無くなれば問題は解決します。症状の出てきた時には特別な場合を除いて智歯は抜歯することをお薦めします。
- うがいは麻酔がきれる約2時間ほど、控えてください。かさぶたがとれてしまうと、傷が治りにくくなりますので、唾液中に混入する出血は、ティッシュ等に吐き出すようにしてください。
- 血液の循環が良くなりますと、なかなか血が止まらない原因となりますので、熱いお風呂、お酒、激しい運動は控えてください。
- 薬は用法・用量を守って、正しくお飲み下さい。
- 上の歯を抜いた後、稀に鼻から息が漏れることがありますので、その時は強く鼻を噛まないようにしてください。
- 歯磨き・お食事は、普通になさって構いません。ただ、歯ブラシを傷に当てない、また辛いもの・塩分の多いものは傷にさわりますので、控えてください。
- 万が一出血が止まらない時は、ガーゼやティッシュを湿らせてから固く絞り、それを30分~1時間噛んでください。
- 翌日は傷の状態を確認するために、できるだけ消毒にいらしてください。
抜歯するときの注意点としては、忙しくなく体調が良い時を選びましょう。当日は、しっかり睡眠と食事を取るようにしてください。抜いたあとは、体を休めてください。このことが痛みや腫れを最小限に治める方法です。
管理をする方法
抜かないで管理をする方法です。できるだけ、歯垢がたまらないように歯磨きして、定期的に専門家にチェックしてもらうことです。
当院での症例
水平埋伏の親知らず
「水平埋伏」とは、横向きで歯ぐきの中に埋まっている状態の親知らずです。
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術前の左下の親知らずのレントゲン写真です。横に向いて生えているのがわかります。 |
親知らずは歯ぐきに埋まってまったく見えない状態でした。 |
3Dでレントゲン写真を解析できるCTを撮影し、親知らずの生え方や、下歯槽神経までの位置を確認します。 |
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歯ぐきを切開していきます。下顎の骨が分厚くまだ親知らずは完全には見えません。 |
親知らずの周りの骨を最小限削っていき、親知らずの歯冠部分が見えてきました。 |
横に向いている親知らずは |
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残りの根っこの部分も慎重に顎骨から脱臼して下歯槽神経を圧迫しないように抜いていきます。 | できるだけ負担をかけないように細かく分割したので抜けた親知らずはこのよになりました。 |
抜歯後はレントゲン写真を撮って |
経過良好です。
親知らずの移植
歯を失ってしまった際の治療法には、取り外し式の入れ歯やブリッジ、インプラントなどがあります。伊藤歯科ではご自分の親知らずなどの生えていても利用価値の低い歯を他の失ってしまう部位に移植する治療を積極的にしています。
術前の右下8番水平埋伏智歯と7番の様子を撮影したパノラマレントゲン写真
右下8番水平埋伏智歯と7番の同時抜歯
右下8番水平埋伏智歯を7番の抜歯したスペースに移植する
移植後1ヶ月の状態
移植後2ヶ月の状態 仮歯を入れています
移植後のパノラマレントゲン
今まで当院での治療成績は、経過良好です。